当社がデジタルコンテンツのネット配信事業を開始したのは、会社創業時の1995年で、日本初の試みでした。
その頃は、ようやく日本にインターネットが上陸し、PCでWindows95が発売されたばかり。
ネットワーク環境も容量の問題から文字配信だけでした。
まずは、小説をデジタル化して、パソコン通信で配信することから開始しました。
紙の書籍をデジタル化して配信する許諾(自動公衆送信権)を、出版社からいただくのですが、当時は「PCで本は読めませんよ」と言われて、なかなか理解を得られませんでした。
ただ、デジタルコンテンツには、「場所をとらない」「いつでもどこでも読めて便利」というメリットがあります。
何度も許諾をお願いして、ようやくサービスが開始できた時、掲載できた作品は、わずか100冊程度でした。
ただ、それから10年あまりでネットワーク環境が飛躍的に向上して、容量が拡大し、コミックや写真等の画像も配信できるようになり、端末も携帯電話のように持ち歩きのできるモバイル型に発展。
特に、スマートフォンの普及が大きく、またタブレットや専門端末も登場してくると、次第に書籍のデジタル化も普及してきました。
現在では、約65万冊以上のデジタルコンテンツを掲載しています。
特に、コミックの人気が高いのですが、紙媒体のものをそのままデジタル化したケースが多く、スマートフォンの画面で見ると、微妙にサイズが合わず、吹き出しの文字も読みづらいと感じます。
そこで、もっと読みやすい形で提供しようと思って開始したのが、次世代のデジタルコンテンツの開発です。
それは、紙の書籍をそのままの形で電子化するのではなく、スマートフォンやタブレット等の端末で見やすく、デジタル機器ならではの機能を活かした新しい形の本です。
端末画面に合わせて縦でスクロールして読める「タテコミ」(タテで読むコミックという意味)を開発しました。
さらに、コミックに動きと音声を付けたものも開発し、「アニコミ」(アニメーションとコミック双方の特徴を融合)と呼んでいます。
また、小説でも、絵(イラスト)をメインに、絵と文字といっしょに表示する「絵ノベル」を開発。文字作品をあまり読まない若い世代にも人気があります。
実用書も、分冊して読みたいところだけを読めるマイクロコンテンツの形で提供。音声読み上げ機能も付加しています。
この音声機能は、目の不自由な方だけでなく、小さな文字が読みづらくなった年配の方にも好評で、文字を黙読するだけの読書スタイルから、音声で聴くスタイルも増えていくのではないでしょうか。
こういった新しい次世代のデジタルコンテンツが、将来普及していくのではないかと考えています。
トップメッセージ
世界中の読者に
喜ばれる次世代の
デジタルコンテンツを創り、
世界に広げましょう!
松井 康子YASUKO MATSUI
株式会社パピレス 代表取締役社長